おはようからおやすみまで蕩けさせて
「……温泉か…」


今夜はまた一人でお風呂。
入浴剤でも溶かして、のんびりお湯にでも浸かろうか。


それと、夕食は今朝の残りをリメイクしないと。
コンソメスープで煮込んでリゾット風でいいかな。


「あーあ、明日の朝は何を食べよう」


パソコンに長く向かい過ぎてたせいか、頭が働かない。
とにかく今は仕事を先に済ませて帰らないと。



(でも、帰ったら真っ暗なんだよね…)


当然なのに、今更のようにあの暗い玄関の雰囲気を思い出してしんみりする。

バカだよね、私。
寂しい気持ちとホッとしてる気持ちとが混ざってる。

誰も待ってない部屋で何をしてもいいんだからウキウキしたって構わないのにーー。




(どういうんだろう。これ…)


何だか疲れが増してくる。
天宮さんがいない家に帰るのが初めての所為かな。


(だけど、好きにすれば?とか言っちゃったし…)


自分の口を呪う。
「知らない」とか、新婚の旦那さんに言うセリフじゃなかった……。



(頭にきてたからって、短絡過ぎた…)


言い捨てて逃げた後、天宮さんはどう思っただろう。
私のことをきっと怒ってるから合コンの誘いにも乗ったんだよね。



(もう帰ってきてくれないのかもな…)


明日の朝、謝った方がいいかな。
言い過ぎてごめんなさいくらい、大人らしく言わないとーーー。


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