隣の席の瀧くん


無駄に疲れてお化け屋敷を出るとーー、



「あっ、いた。

一ノ瀬花さんと中本壮介くんだよね?」



と、先輩らしき男の人に声をかけられた。



「そうですけど…
どうかしましたか?」



あたしがそう言うと、その人はパァと笑顔になる。



「今年の文化祭のミスとミスターにあなた達が選ばれたんだ!」



……へ?



「あ、あの…それはどういう?」


「ん?全校生徒の投票で決まったから今すぐ僕について来て!着替えて表彰するから」


「え?なにそれなにそれ?!あたしそういうキャラじゃないよ!!?」



そんなミスとかそういうキャラじゃないってばーー!本当に!



「あれじゃない?

同級生だとあんたの性格知ってる奴らばっかだから票無くても、

先輩とか、後輩からの票が多かったんじゃない?あんた黙ってれば可愛いんだから」


と杏が分析し出す。



「いいじゃん、面白そうじゃん?花行こうぜ」



壮ちゃん、ノリノリだし……




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