これを運命と呼ぶなら聞こえはいいけれど
言葉にならない声で、大地が欲しいと口にする。
それに応えるように、彼の唇がそっとわたしに触れる。何度も何度も、慰めるように口づけてくれる。
そうして脇の下に手を入れられ、ぐい、とソファの上まで抱え上げられた。
彼の身体に覆いかぶさるように、すっぽりとその腕の中に閉じ込められて。
顔を上げるとまた、唇で柔く触れられた。
「……ふ、ぅ」
「有果、」
優しい声がわたしを呼ぶ。よしよしと頭を撫でてくる手の温度が気持ちよく、わたしは擦り寄せるように彼の胸に顔を埋めた。
「……大地はさ、」
「うん?」
「……わたしのどこを好きになったの」
……こんなこと、今まで訊いたことはなかった。本当はどこを好きというより、そもそも告白してきた時点でわたしに好意があったのかどうかもわからない。
友達の言う通り、それまでの遊び相手たちとは違って彼は真面目なタイプだったから。誘われた側とはいえ責任を感じてしまっただけなのかもしれないから。
自分がこんなにはまってしまうなんて思わなかったから、ずっとずっと、訊けなかった。
「なに、それってあのときの話?」
指でわたしの髪をすきながら、大地は少しだけ笑った。
「……最初から有果のこといいなって思ってたんだよ。でもあの中で話しかける勇気もないからずっとゲームしてて、そしたら有果が話しかけてきてくれて、」
――田辺くん、と名前を呼んでくれて。
自己紹介で一度しか言わなかった名前を覚えていてくれたことが嬉しくて。