雨の日は君と。~先輩の香り~《続編》
「はぁ……」
李月君がため息をつく
そんなに怒らせちゃった…?
私は出てきそうになる涙を堪えて俯く
すると、いきなりふわっと抱きしめられた
「…やっと二人きりになった」
李月君はそう呟いて私を
ぎゅっと強く抱きしめる
え、え…?
「朝もそんな一緒にいれなかったし
休み時間も会えないし。
…クラスの女子には言い寄られるし」
確かに一緒にいれなかったな、今日は。
途中まで李月君の言葉に頷いてた私も
最後の言葉には固まった
言い寄られた…?
「ど、どういう風に?」
「んー、放課後カラオケ行こうとか、
『私と付き合って~』とか言われた」
「へ、へぇ……そっか」
李月君に告白する人減ってるとか思って
たけど、全然減ってないじゃんっ!
こんな些細なことで嫉妬するなんて
私も心狭いなぁ…