【完】君しか見えない


「十羽さぁ、」



隣でツリーを見つめている楓くんが、ふと口を開いた。



「雷が鳴ること知ってただろ」



「え?」



予想外の言葉に、思わず楓くんの方を見た。



楓くんの視線は相変わらずツリーへ注がれていて。



その瞳は、イルミネーションの光を受けて、キラキラと煌めいている。



「ずっと不安そうな顔してたから、なにかあるんだろうとは思ってた。
まぁ、12月に雷鳴るってのは想定外だったけど」



楓くんが指摘するとおりだ。


本当はわかってた。今日雷が鳴るだろうってことは。



楓くんに見つからないように空の動向を気にしてたんだけど、バレちゃってたかぁ。

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