【完】君しか見えない
「なんでそんなに目輝かせてんだよ」
「だって、嬉しくて……」
たとえ電話を掛けられないとしても、連絡先を知ってるってだけで、ぐんと楓くんを近くに感じる。
目に見える繋がりを与えてもらったみたいで。
「おーげさ」
吐き捨てるように呟いた楓くん。
だけど、その声が持つ柔らかさを聞き逃さなかった。
それを実感すると、また泣きそうになる。
楓くんの表情を、一瞬も取り残すことなく見つめていたい。