【完】君しか見えない
楓くんが私の手首を握ってる、それだけで緊張してしまって。
心臓の音が手を通して伝わってないか、すごく心配になる。
だって、乱暴な言葉遣いとは裏腹に、私に触れるその手は思わずキュンとするほどに優しいから。
「ん、できた」
そう言われ、手の甲を見ると、そこには電話番号が書いてあって。
「それ、俺のケー番」
「楓くんのケータイ番号……」
思わず手の甲を目の前にかざして、その数字を食い入るように見つめる。
ずっとずっと、知りたかった。
電話をかけたかった。
まさかケータイ番号を教えてもらえる日がくるなんて……。