【完】君しか見えない
「いつから待ってたんだよ」
「うーんと、今さっき、かな」
嘘つけ。
そんなに鼻赤らめて、なにが今さっきだよ。
俺は吐き捨てるように言葉を投げつける。
「おまえ暇なの?
俺が何時に帰ってくるか知らないくせに、ずっと待ってたとか」
すると十羽が正面を向き、口を開いた。
「楓くんに、おかえりって言いたくて」
「え?」
十羽の口から紡がれたのは、思いがけないほど、まっすぐで芯の通った声だった。
「クリスマスイブ、3年も一緒にいられなかったから」