【完】君しか見えない


その後も、楓くんはというと大活躍だった。


急遽助っ人として参加したとは思えないほど、ゲームの中心となってバンバン点数を稼いでいる。



「三好!」



喧騒の中でもよく通る黒瀬くんの声が、その名を呼んだ。



次の瞬間、バスケットボールが大きな弧を描き、黒瀬くんから楓くんに向かって飛んだ。



そのボールを無駄な動きひとつなく受け取った楓くんは、見惚れるほど綺麗なフォームで、ボールをゴールへ放った。



……ガゴンッ



ボールがゴールを揺らした瞬間、

ピーッと試合終了を知らせる笛の音が鳴り響いた。



途端、固唾を飲んで見守っていた観客席から「きゃーっ!!!」と体育館を揺らすほどの大歓声が巻き起こる。



試合終了間際に決めた楓くんのゴールが決定打となり、この試合は楓くんの高校が勝利となった。

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