【完】君しか見えない
「これ、一緒に行かない?」
「やだよ。
どっかのだれかさんとは違って、俺は暇じゃないから。
知り合いに会ったら、いろいろ面倒だし」
案の定、返ってきたのは乗り気じゃない返事。
だけど、ここで引き下がるわけにもいかない。
だって、この点灯式にふたりで行くことは、当初からの目的のひとつなのだから。
「そう言わずに、ねっ?
暗いし、きっと知り合いには会わないはず」
顔の前で手を合わせ、嘆願ポーズを作る。
「お願い!」