【完】もう一度、キミのとなりで。
「待って」
「……っ」
熱い手のひらの感触。驚いて振り返ると、目が合う。
「もう、帰るの……?」
そう言って私を見つめる瞳は切なげに揺れていた。
まるで、帰るのを引きとめるかのように。
「……碧空、くん?」
「帰んないでって言ったら、怒る?」
「えっ?」
続いて彼の口から飛び出した思いがけないセリフに、心臓がドクンと飛び跳ねた。
帰らないで?私に……?
「え……あ、ううん……」
もちろん、そんなので怒るわけがないけれど。
どうしてそんなこと言うんだろう。もしかして、一人で心細いのかな?
でも、帰らないでここにいるってことは……家にあがってもいいの?
「じゃあ、もう少しだけ……いてよ」