【完】もう一度、キミのとなりで。
ねぇ、あの時私が逃げたりしなければ、この手を離したりしなければ……何かが違っていたのかな?
今ごろ私たちはどうしてたのかな?
彼の寝顔を見ながらふとそんなことを考えてしまった自分がいて、驚いたと同時に、切なくなった。
バカだなぁ、私……。
碧空くんの部屋に来て、いろんなことを思い出して、今さらのように昔が恋しくなってる。
私にはそんな資格、ないはずなのに……。
そんなこと、考えちゃいけないよね。
碧空くんは今でもすごく優しいし、嬉しいことばかり言ってくれるし、時々勘違いしそうにもなるけれど、それはきっと美希ちゃんの言うように、彼が誰にでも平等に優しいだけ。
私はもう特別なんかじゃない。今はただの友達だから……。
そう自分に言い聞かせて、そっと彼の手を離した。