【完】もう一度、キミのとなりで。
「あんまり女子と絡んでるとこ見ないのに、不思議だよねぇ。
実は蛍のこと気になってたりして」
「えぇっ!そんなまさか!」
「そのまさか、かもよ~」
加奈子ちゃんがニヤニヤしながら肘で小突いてくる。
よりによって、あの矢吹くんが私のことを気になってるだなんて。
「ぜ、絶対ないよっ!」
「あるよ~」
「ないって!」
そんな押し問答を繰り広げていたら、男子チームのサッカーの試合終了を告げるホイッスルの音がした。
いつのまにか終わってしまったみたい。
「あ、終わっちゃったね~。まぁいっか」
加奈子ちゃんは少し残念そうにしながらもハハッと笑う。
「よし、次はうちらチームの二回戦だ!
今度こそ気合い入れるぞ~!」