円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
そこへ、姉のメアリーが白いドレスの裾を気にして、屋敷からこっちに歩いてくるのが見えた。
エリノアは、姉に向かって大きな声で叫んだ。
「今からそっちに向かうから、そこで待ってて」
身振りも交えて伝えたのに、メアリーは、妹の声にはまったく気づかず、歩きにくそうにやってくる。
メアリーったら、何やってんのよ。
あのドレス新品じゃないの。
エリノアは、後片づけをジョンに頼んで、姉のメアリーのところに走って行った。
よりによって、よそ行きの服なんて身に着けて、どうしたのよ。
汚れてしまうじゃないの。