円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~

「説得が上手かどうかなんて、
関係あるものですか」
エリノアが強い口調で言う。

メアリーは、エリノアの剣幕に、
ますますどうしていいのか分からなくなった。


向こうは、ブラットリー家の
広い領地を受け継いだ、えらい領主様だ。

ウィリアムは、
さらに侯爵の称号も継いでいる。

領主の娘である
エリノア達の従兄であっても、向こうは爵位を持った貴族様なのだ。


だから、身分の高い侯爵様のご訪問は、
ありがたくお受けするべきで、
間違っても追い返そうなんて
思ってはいけない。

メアリーは、真面目にそう考えるのだった。
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