円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~


「まあ、ウィリアムよく来てくれたわ!」

屋敷の中に招き入れられると、
ウィリアムはアストン夫妻、
つまり姉妹の両親に大歓迎された。

ウィリアムは、姉妹の従兄でもあるので、目の前にいるのは、
彼にとって実の叔母にあたる。

おばが屋敷を訪ねる度に、
このように、大袈裟に喜んで
迎えてくれるのは、有り難く思う。

だか、もう半分くらい、
控えめにしてくれても、
誠意は十分伝わるのにと思った。

何しろ、先週もこんなふうに
顔を出しているのだし。

ウィリアムは、お礼を言った。

人に会うのが乗り気でない叔母が、
こんなに、積極的に客を迎えるなんて
珍しいのだ。

「雨が上がりましたら、
すぐにお暇いたしますので。お構いなく」
ウィリアムは、そう言って手厚い
もてなしを辞退した。


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