円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~

ウィリアムは、
無言で許可を取るように、
エリノアに向かって微笑んだ。

彼女は、もう一度、
お辞儀をするとその場を離れた。



「ウィリアムが何だっていうの」

姿が見えなくなるとエリノアは、
そんなふうに、吐き捨てるように言うと、奥に引っ込んだ。


彼女は、ウィリアムが
屋敷に泊まると聞いて、
穏やかではいられなくなった。

彼が同じ家にいると思うと、
なぜか落ち着かない。

実の父親よりも、
この家の家長のように、
いちいち口を出してくるし。

侯爵様だから、立場上、
無視するわけにもいかない。

エリノアは、屋敷の奥にある
キッチンに、づかづかと入っていくと、
料理番のメイドのドナに声をかけた。

「ねえ、
ウィリアムが今夜ここに泊まるの。
献立もすっかり変わってしまうと思うわ」

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