円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「お嬢様まあ、何て恰好を?」
ドナは、エリノアの姿を見るなり言った。
エリノアはドナに指摘され、
少し恥ずかしそうにせき込むふりをする。
「ドナったら、話を聞いていなかった?」
メイドが話を聞いていないとことと、
献立が変わるっていうことより、
自分の身なりの酷さを指摘されて
エリノアは顔を赤らめた。
すでに赤い顔をしているから、
本当のことは、わからないけれど。
「エリノア様、すでにそのことは、
ジョンから聞いております」
「ジョンから?あっ、そうなの」
エリノアは、少々考えながらいう。
「それならいいわ。とにかく、
コックのローザと相談して。
肉も野菜も遠慮なく使って。
必要なら購入しても構わないから」
「えっと、ウィリアム様は、
まったく献立の変更はしなくていい、
その必要はないと、
ジョンにお言伝なさいました」
「あっそう。わかったわ」
それだったら、後は、
うちの母を説得すればいいわね。
「部屋の用意も整えないと。
アリスを探さなきゃ」
「はい。ご苦労です」
「エリノア様?」
「何?」
「なかなかのお気遣いですね。
ウィリアム様って」
「たまたま機嫌がよかったのよ。
いつもじゃないわ」
「使用人に気を使っていただくのは、
今回だけではありませんわ、お嬢様。
ウィリアム様には、
みんな心から感謝をしています」