円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
アリスは、戻って来ると、
まっすぐエリノアのもとへ来た。

彼女は、熱く火照ったエリノアの顔に、
水で濡らした布を当てた。

「こんなに日に焼けてしまって。
私が、何のために、
毎日お世話してると思ってるんですか」

女性の肌の色はいつの時代でも、
白い方が望ましい。

「日に焼けた、
小麦色の肌などというのは、
お日様を浴びて、
外で労働する女の肌ですよ。
レディの肌ではありません」

人肌で温まった布を受け取ると、
アリスは、無表情で水に浸して
ぎゅっと絞り込む。

「悪かったわ、アリス、
あなたの努力を無にしてしまって」


「エリノア様。
そのまま手で押さえて冷やしておいてください。
すぐにお手当いたします。
レモンがいいかしら。
きゅうりは季節柄手に入らないわね。
オートミールと蜂蜜のクリームに
しましょうか?」

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