円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~

エリノアはぎょっとしてアリスを見た。

表情は硬いまま、
肌の様子をのぞき込むようにして
じっと見ている。


「お前、でんぷんを
顔に塗るっていうの?」

アリスの態度からして、
有無を言わせないところがある。

こういう時は、彼女に逆らっても
無駄だろうけど、一応抗議してみる。


「手に塗れるのものなら、
顔に塗っても大丈夫でしょう?」

「気持ち悪い」

「仕方ありません。我慢してください。
せっかく、透明感のある
きれいな肌だったのに」

「本当に塗るのそれ?」


想像するだけで、気分が萎える。

こんな事なら、
頭が死にそうにかゆくても、
帽子をかぶっておくんだった。

「もちろんです。
日に焼けたまま、放置して
染みになったらどうするんですか?」

「そんなに、ひどくなってるかな?」

「とにかく、いつどこで、
素敵な男性に、見初められるか
分からないんですよ。
みすみす、そのチャンスを
逃してしまうではありませんか」

< 40 / 195 >

この作品をシェア

pagetop