円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
エリノアはぎょっとしてアリスを見た。
表情は硬いまま、
肌の様子をのぞき込むようにして
じっと見ている。
「お前、でんぷんを
顔に塗るっていうの?」
アリスの態度からして、
有無を言わせないところがある。
こういう時は、彼女に逆らっても
無駄だろうけど、一応抗議してみる。
「手に塗れるのものなら、
顔に塗っても大丈夫でしょう?」
「気持ち悪い」
「仕方ありません。我慢してください。
せっかく、透明感のある
きれいな肌だったのに」
「本当に塗るのそれ?」
想像するだけで、気分が萎える。
こんな事なら、
頭が死にそうにかゆくても、
帽子をかぶっておくんだった。
「もちろんです。
日に焼けたまま、放置して
染みになったらどうするんですか?」
「そんなに、ひどくなってるかな?」
「とにかく、いつどこで、
素敵な男性に、見初められるか
分からないんですよ。
みすみす、そのチャンスを
逃してしまうではありませんか」