円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~


どうするだろうか?

彼は、楽しそうに想像してみる。

そこに彼女がいると思って。

偶然、現れた客のせいで、
食卓に出される羽目に陥った哀れな若鳥に、哀悼の意を述べるだろうか?

それとも……

数ある食材の中から、
あなたが選ばれたのは、
急に降り出した雨のせいだから、
雨を恨むべきねと、
いたずらっぽく言うだろうか?

それについて彼が何か意見をいうと、
すかさず、彼女が反論しようと
目を輝かせている姿が
見たいと思っていた。

次に何を言おうかと思って、
頭の中を激しく回転させて、
僕のことを楽しませてくれる。

そこまで考えて、ウィリアムは、
反応が返ってこないのは、
寂しいと思った。

そうして、そんな風に誰も
彼に応えてくれないのを、
もっと寂しいと思った。

いったい、
彼女は何をしているのだろうか?

もう、ダメだ。

口をきかないのは、残念だ。

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