円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
ウィリアムが、
エリノアの部屋の前まで来て、
ドアをノックしようとしていると、
突然ドアが開いた。

部屋の中から、侍女のアリスが
出て来て彼と鉢合わせになった。

彼女は、エリノアの部屋から
出て行こうとしていたらしい。


「まあ、ウィリアム様」

彼女は驚いて、立ちすくんでいた。

ウィリアムを見て、目をしばたいている。


「どうかしたのか?」

ウィリアムも驚いて、
アリスに声をかけた。

いつものアリスなら、
ウィリアムとすれ違わないように、
すっと一歩引いて待っているはずなのに。

まるで、作法を忘れてしまったように
呆然としている。

アリスは、エリノアが
小さなころから傍にいるメイドだ。

ウィリアムも、彼女のことを
よく知っている。

冷静で真面目で、
客人に廊下で出くわしたくらいでは、
声を上げるはずないのだが。
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