円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「アリス、ここを退きなさい。
もし起き上げれないほど、
エリノアの病状が深刻なら、
すぐにでも、
医者に連れて行かなければならない」
「はい」
ウィリアムが、
真面目に答えるのを見て、
アリスは困ったことになったと思った。
今、エリノアが
どんな状態でいるのか、
ウィリアムに説明するのはとても難しい。
「えっと、先ほどまで、
お休みになっていましたから、
もう一度、様子を見てまいります。
しばらく、
こちらでお待ちいただけますか?」
だいぶ苦しいいいわけであるが、
ウィリアムは咎めず聞き入れてくれた。
「ああ、そうしてくれ」
エリノアが、ドアの開ける音を聞いて
駆け寄ってこないように、
アリスはそっと部屋のドアを開けた。