円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
アリスは、エリノアの話を聞いて、
すごく驚いた。

アリスは、伯爵家の舞踏会に
何度も付いてい行ったこともある。

だから、舞台の裏の使用人の世界が
どうであるのかよくわかっている。

仕事はきつくて重労働だ。

とてもお嬢様育ちのエリノアに
務まるはずがない。

そう思って反対していた。

だが結局は、絶対に意見を曲げない
エリノアに押し切られてしまった。

「ただ、お嬢様。これだけは約束していただけますか?」

「ええ、もちろんよ。使用人に
なっている時は、あなたの意見に従うわ」

「それだけでは足りません。
決して、私のそばから
離れないでください。
それから、勝手な行動は、
くれぐれも謹んで下さいね」

「分かってるわ、アリス。
何だか楽しそうね」

アリスは、ただでさえ
ギリギリの人数で、やりくり
しなければならない中、

お嬢様の監視まで、
引き受けなければならないと思うと、
ずっしりと気分が重くなった。
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