円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
無残にも、メアリーの夜会服に
三角の焦げた跡が付いた。
「ああっ」
いつも冷静なアリスが、顔色を無くし、
声まであげてる。
もうもうと蒸気が上がる中、
布の焦げた匂いがする。
「どうしよう、アリス。これ、
もう着られないわね」
「そうですね」
アリスが焦げた跡を見ながら、
呆然としてる。
「これは、誰の衣装なの?」
すぐ横にいた、年配の
ランドリーメイドの一人が、
こっちをのぞき込んで言った。
「レディメアリーのよ」
アリスに変わって、エリノアが答える。
「レディメアリーって、
おっかないのかい?」
「全然そんなことないわ。
とっても優しい方よ」
「いくら優しくたって、
何のお咎めなしっていう訳には
行かないだろうね」
可愛そうにと、そのメイドに同情された。
「大丈夫よ。きっと。
メアリー様は許してくれるわ」
「もし、あんたの主人がひどく怒って
耐えきれなくなったら、
ルーカスさんに頼んで、
ブラッドリー卿に間に入ってもらいな。
ブラッドリー卿に頼れば
何とかしてくれるさ」
「ブラッドリー卿?ですって」
「ああ、そうさ。
あの方は間違いないよ。頼りになる」
「ありがとう、そうして見るわ」
エリノアも、アイロンがこんなに重いとは、思わなかった。
失敗したくらいで、
理由もなく責めるのは、
止めようとエリノアは思った。
三角の焦げた跡が付いた。
「ああっ」
いつも冷静なアリスが、顔色を無くし、
声まであげてる。
もうもうと蒸気が上がる中、
布の焦げた匂いがする。
「どうしよう、アリス。これ、
もう着られないわね」
「そうですね」
アリスが焦げた跡を見ながら、
呆然としてる。
「これは、誰の衣装なの?」
すぐ横にいた、年配の
ランドリーメイドの一人が、
こっちをのぞき込んで言った。
「レディメアリーのよ」
アリスに変わって、エリノアが答える。
「レディメアリーって、
おっかないのかい?」
「全然そんなことないわ。
とっても優しい方よ」
「いくら優しくたって、
何のお咎めなしっていう訳には
行かないだろうね」
可愛そうにと、そのメイドに同情された。
「大丈夫よ。きっと。
メアリー様は許してくれるわ」
「もし、あんたの主人がひどく怒って
耐えきれなくなったら、
ルーカスさんに頼んで、
ブラッドリー卿に間に入ってもらいな。
ブラッドリー卿に頼れば
何とかしてくれるさ」
「ブラッドリー卿?ですって」
「ああ、そうさ。
あの方は間違いないよ。頼りになる」
「ありがとう、そうして見るわ」
エリノアも、アイロンがこんなに重いとは、思わなかった。
失敗したくらいで、
理由もなく責めるのは、
止めようとエリノアは思った。