円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「アリス、焦げたところは、
当て布しましようか?」

「いいえ、私がやりますから。結構です」

「でも……」

「お願いですから、
ここは私にお任せください」

アリスが怒ってる。

「ねえ、あんた。
侯爵家のレディメイドのミーガンを
知ってる?
彼女なら、そういうの、
何とかしてくれるかもしれないよ」

「ええ。そうね。聞いてみるわ。
ありがとう」

「アリス、ごめん。
それ、今日着る予定のものだよね?

メアリーには、別のものを
着てもらいましょう」
エリノアは、小さな声でつぶやく。

「大丈夫ですよ。お嬢様」
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