円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
メアリーの部屋を出て、
使用人の階段を降りて行こうとしたときに、後ろから声をかけられた。
「エリノアさん?」
「ミーガンさん?」
「上の階の誰かに呼ばれたの?」
「レディメアリーよ。
さっきの衣装を持って行ったの」
ミーガンが興味を引かれた目をする。
「あれを?どうだった?
叱られなかった?」
「ええ、もちろん。大丈夫よ」
「よかったわね」
「ミーガンさん、あなたのおかげよ」
「どういたしまして」
「侯爵夫人のところに行っていたの?」
「ええ、まあ。そうね。
ちょっと待って、エリノアさん、
髪の結び方が変だわ。
すぐに直してあげる」
「ねえ、よかったら衣裳部屋に
いらっしゃらない?」
「いいの?」
「少しだけなら」
エリノアは、ミーガンのあとに
ついて行った。