円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~


メアリーの部屋を出て、
使用人の階段を降りて行こうとしたときに、後ろから声をかけられた。

「エリノアさん?」

「ミーガンさん?」

「上の階の誰かに呼ばれたの?」

「レディメアリーよ。
さっきの衣装を持って行ったの」

ミーガンが興味を引かれた目をする。

「あれを?どうだった?
叱られなかった?」

「ええ、もちろん。大丈夫よ」

「よかったわね」

「ミーガンさん、あなたのおかげよ」

「どういたしまして」

「侯爵夫人のところに行っていたの?」


「ええ、まあ。そうね。
ちょっと待って、エリノアさん、
髪の結び方が変だわ。
すぐに直してあげる」

「ねえ、よかったら衣裳部屋に
いらっしゃらない?」

「いいの?」

「少しだけなら」
エリノアは、ミーガンのあとに
ついて行った。
< 94 / 195 >

この作品をシェア

pagetop