円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「だって、いっつも難しそうな顔
してるし、恐そうだし」
ウィリアムは、
確かにいつも気難しい顔をしている。
でも、それ以上に彼には思いやりがある。
「それはそうかもしれないけど。
彼って誰か好きな人でもいるのかしら?」
「好きな人?女性っていう意味よね?」
ミーガンは、口をおきくあけて笑った。
「さあ、分からないけど、
いないんじゃないかな?
女性よりも、
お金を稼ぐことの方が楽しそうだし。
強いて言えば、仲のいいのは、
同い年で、伯爵家のキャサリン様
くらいじゃない?
それと、あの人が
良くお話してるのは、
従兄妹の姉妹だけじゃないの、
ほら、レディメアリーさん」
「やっぱり、ブラッドリー卿は、
メアリーのこと憎からず
思ってるかしら?」
ミーガンは首をひねった。
どうも、そうは見えないと
いいたそうに。
「うーん。どうだろう。
そんなに親しそうには見えなかったけど。
好きな人とは違うともうわ。
何となく、ただの勘だけど」
「そうかしら。
他に親しくしている人っている?」
エリノアは食い下がった。