BAD & BAD【Ⅱ】

少年Rのナイトメア








気がつくと、薄暗い場所にいた。


ここがどこだかさっぱりわからなくて、とりあえず周囲を見渡しながら一歩進んでみる。



直後、足元に何かが当たった。


ん?何だ?

反射的に一歩戻る。


目を凝らして、足に当たった何かをよく見入った。



『これは……鎖、か?』



なんでこんなもんがここにあるんだ?



頭上にハテナを浮かべながら、もう一度足で鎖に触れてみた。


ジャラ……、と重みのある音が響く。



どうでもいいや。めんどいし、ほっとこう。




鎖から足を離した瞬間、



『り、ん……っ』



近くから、俺を呼ぶ幸珀の声が聞こえてきた。


幸珀……!?



いつもの幸珀らしくない、か細い声だった。


いやに心臓がざわめく。



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