彼女の真実
「ただいま戻りました。」

「おー、お疲れ様。どうだったかね?初めての優花ちゃんとの仕事は?」

と笑顔で迎えながら質問してきた。

「どうだった?じゃないですよ。仕事ができるのはまぁわかりましたけど、特殊すぎて困ります。自分のことも読まれるし、なんか、不快です。もちろん課長は知ってたんですよね?」


「優花ちゃんから聞いた?もちろん知ってたよ。それに私は随分前からあの子のことを知ってるからね。」

随分前から?

「そんな前から関わりがあったんですか?」

そう言うとまたあの悲しそうな顔をした。

「彼女の能力は私があった時からもう既に持っていたけどね。彼女は本当にすごいんだよ。いろんな意味でね。」

「彼女の能力、確かに当たってるけど、まだ完全に信じた訳て無いです。そんな小さい時から持ってたんですか?」

そう言うと課長は少しびっくりした顔をした。

「彼女の能力はそれだけじゃないけどね。まぁ、確かに心を読まれるなんて誰もいい気分はしないだろうね。でも、読んでる本人だっていい気はしてないはずだよ。あの子は本当に優しい子だから。ん〜、知ってただけで細かくは知らないんだけどね。」

「まだあるんですか?まぁ、被害者のご家族を訪問した時もすごい配慮はしていましまた。」

と言いながら、今日のことを振り返る。
きっと、あれは彼女の優しさだったんだ。今思えば俺の方が配慮にかけていたとも思う。

そして、彼女が関係する2xxx年計画は一体子供にどこまでの能力を求めるつもりなんだろうか。と静かに考えた。

「それとね、君に約束して欲しいことがあって。」

そんなことを考えていると課長から話し出した。

「なんですか?」

「もちろん、捜査一課だから危ない事件に関わることは大いにある。でもね、あんまりそういうところに行って欲しくないんだ。危険て言うのももちろんあるんだけどね...。」

どうしてだ?彼女は計画の一部なんだろ?だったら尚更行かせた方が国のためなんじゃないのか。確かに彼女はまだ子供だけど。

しかし、課長の顔が真剣だったので取り敢えず返信だけは返しておいた。

彼女の他の能力があることに頭がいっぱいだったが、課長の言葉でもいっぱいだった。
今の俺の頭の中はこの二つのことがごちゃごちゃと混ざりあってた。
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