零度の華 Ⅰ
本当に口の悪い奴だ
あたしは何も言わず、黙って後ろをついて行く
店に入り、席を案内される
この席順に、あたしは疑問に思う
6人がけのテーブル席で、あたしは窓側で向かいが梟
あたしの横は鷹見で向かいが虎山
そして、通路側に鮫島、向かいが愛川
愛川と席が離れているのは分かる
あたしに恐怖しているためだろうと
しかし、なぜ梟が目の前にいる?
あの時、正体を明かしたことがそんなに疑問に思ったのか?
未だに探りを入れようとする目があたしに向く
「お腹すいたし、何か頼もうか。皆、何がいい?」
虎山がみんなに問い、ワイワイとメニューを選び始める