俺を好きになってよ。
麻衣子ちゃんが好きだなんて嘘。
もちろん、大人しくて可愛いなぁーとは思うけど。
でもそれは、りっちゃんに近づく口実に過ぎないわけで。
こうやって付き合うフリをしてるんだけども。
向こうは由貴が好きなんだよねー。
俺の入る隙間なんてないっつーの。
だから、フリでもいいから2人でいる時間が増えたらいいなーと思ってこの作戦を開始したんだけど。
変化なし。
脈なし。
ちーんだよね…。
完全に由貴好き好きアピール出てるんだもん。
あ、俺と2人の時ね。
まぁ、由貴は俺よりちゃんとしてて確かにイイ奴だから、何とも言えないけどさ。
ちょっとは振り向いてくれてもいいじゃん。
「佐野くん、りっちゃんとどうなの?」
上目遣いで聞いてくる麻衣子ちゃん。
この子って天然なんだよな。これで男落としてるのか?
前の俺だったらイチコロだろうな。
前の俺だったらね。
「うーん、あの子ツンデレなのかな?あんまし2人でいるの嫌がるんだよねー」
何がツンデレだ。
言った自分が馬鹿みたい。
りっちゃんは由貴が好きなんだから。
当たり前なことだ。
しかも、先輩との事があったから面倒なことには巻き込まれたくないんだろう。
りっちゃんらしいっちゃらしいな。
「そっか…でも、りっちゃん気が強いけどああみえて優しいからね?」
うん、知ってる。
変にプライド高すぎるんだって。
本当可愛げないよなー。
りっちゃんの顔を想像するだけで笑いが込み上げてくる。
そんな俺をよそに麻衣子ちゃんは何か話す。
「…だから、なのかな…だから、りっちゃんは…」
「ん?何か言った?」
「あ、ごめん気にしないで…!」
俯いてたから何を言ったのか聞き取れなかった。
それから話題を変えるように麻衣子ちゃんと俺は授業の出来事とかを話していた。
ふと。
あの二人の方を見てみると。
あらーりっちゃん大胆。
手なんか握っちゃってー。