俺を好きになってよ。


私のクラスの女子バスケは順調に勝ち進み、決勝戦まできた。
だけど、優勝とまでにはいかず、私達は惜しくも2位になった。


試合が終わって、私達は体育館の観客席に座った。

「惜しかったね〜麻衣子!」

「本当だよ〜!でも皆頑張ってたから、まい、2位でもうれしい!」

「だね!」

麻衣子の言う通り皆勝とうとしていたし、満足満足!
次、男子のバスケだ…。

「りっちゃんー!」

「み、南!早く行かなきゃ!」

「分かってるー!でも、お疲れ様ーって言いたくて!」

チームの子待ってるし、わざわざ言いにこなくてもいいのに…。
まぁ、嬉しいから言いけども。


…?

嬉しい?

何に?


お疲れ様って言ってくれたことに?

それとも、わざわざ私の所に来てくれたことに?


二つ目は絶対に有り得ないから。うん。


だいたい、私が南を好きとか有り得ないから。うん。


「じゃ、俺、頑張ってくるね!ちゃんと見ててよー?」

「あ、うん!頑張って」

何、戸惑ってるの私。
しっかりしなくちゃ。
そんな私を見かねて南が私の頭に手を乗せてきた。

な、何!?

「…俺、りっちゃんのためにシュート決めてくるから」

私が返事する時間もなく、南は走ってコートまで行った。

な、何…ドキドキ止まらないんだけど。
南はああやって何人もの女を落としてきたのか…。



< 45 / 274 >

この作品をシェア

pagetop