俺を好きになってよ。
「そう、だったんだ…」
私が話し終わると、南はいつもの声に戻っていて、表情も落ち着いた。
「ごめん。…でも、今度は私じゃなくて、麻衣子とかにも危害が加わったらどうしようって思ったから…」
「何で謝んのー!…本当の事だしいいよ。それから、先輩とは?」
「いや、特に何も!私達がこうしてるってことはまだ、皆には言ってないのかも…」
確信はもてないけど、皆何も言ってこないから、多分そうだろうと思うしかない。
御守先輩は一体何を企んでいるの…?
「…逆にさ、りっちゃんは俺とフリしてて嫌じゃないの?…嫌がらせ起きるようになったし」
南からフリをしようって言ったんじゃないか!!
って思ったけど言わないでおこう。
「確かに、嫌がらせにあうのはゴメンだよ。次何あるか分かんないし、毎日周りに気をつけて怯えて生活するなんて、もっとゴメン」
「だよ、ね…」
でも何でだろう。正直、南といるの嫌じゃない。
話しやすいし、楽しいし。
「それに、アンタが言ったんだよ?…"俺が守る"って」
「…っ」
私はその言葉を信じてみることにするよ。
ニッと、笑うと南が一瞬怯んだ。
怯むな。そんなに変かよ!
「りっちゃん…俺…」