24歳、恋愛処女
理央さんはフルコースで頼んでいてくれたのか、エステでは全身をマッサージしてもらって、なんでこんなところにきているのか忘れかけた。
完全にリラックスしてラウンジに降り、理央さんの顔を見て現実を思い出す。

……そうだった。
なんだかわからないが、連れてこられたんだった。

「じゃ、メシ行こか」

同じフロアのレストランは、半個室になっていた。
ここでもすでに予約していたのか、すぐに料理が並び始める。
もち豚のコラーゲン鍋だって。

「リラックスしたみたいだな」

「……おかげさまで」

ついでくれたビールをちびちびと飲む。
私にはビールを勧める割に、理央さんはウーロン茶。
車だからといわれれば確かにそうだけど、酔わせてどうこうとかつい、疑ってしまう。

「まだ警戒してるのか?
このあいだみたいなことはしないって」

「……」

……いや、さっきは忘れかけてたけど。
食事って云われて連れてこられたとこがここですから。
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