24歳、恋愛処女
「昨日、えらく疲れてただろ?
だから」

もしかして、元気づけてくれたんですか?

照れたように笑う理央さんに、少し顔が熱くなった。
完全に悪い人、ではないのかな。

 
今日は理央さん、携帯を見ることなく私とちゃんと話してくれた。
このあいだと違いすぎて困る、っていうか。

「彩夏ちゃんって変わってるね」

「そう、ですか?」

優しく笑われると、やはりというか真人さんそっくりになる。

「普通、このあいだみたいに無視されたら怒るだろ?
なのに彩夏ちゃんの方も俺を無視してがんがん食べてるんだもん」

「……おいしいものは食べないと損なので」

「そういうとこ、おもしろい」

私のお皿が空になる度に、理央さんはがんがんお鍋の中身を入れてくる。
いや、もう、わんこ蕎麦の世界?

「あの、理央さん」
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