24歳、恋愛処女
「はい、次です。
また一緒に、食事に行きましょう」

次?
また一緒に?

確かに嫌ではなかったから今日は一緒に食事に来たんだし、どっちかというと楽しかったけど。
三度目、という経験のないようなことに戸惑ってしまう。

「どう、ですか?」

レンズの向こうから、荻原先生は私をじっと見つめてる。
あの目は苦手だ。
嫌って云えなくなるから。

「……わかりました。
じゃあ、次は私が」

こうして私はまた、荻原先生と食事に行く約束をしてしまった。

 
店を出て駅に向かおうとすると止められた。

「遅いですし、タクシー使ってください」

「でも、そんなに酔ってないですし、平気、ですから」

「ダメです」
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