24歳、恋愛処女
……呼び出されてこれは、怒ってもいいんだろうか。

今日の昼間、夜は空いてるから出てこいっていきなり云われた。
待ち合わせるのも面倒だから店で待ってる、そう云って指定されたのは職場と同じビルの、このあいだのイタリアン。

「……」

無言でグラスのワインを飲み干し、瓶を手に自分で注ぐ。
サラダも勝手に、メインのエビをほとんど取って自分の皿に盛って食べる。
あっちが無視するなら、こっちも無視してガンガン飲み食いしてやろう。
しかしどうもこの前、真人さんが云ってたのは正しい気がしてならない。

「そういえばさ。
何日か前、兄さんが夜中に怒鳴り込んできたんだけど。
あんた、なんか云ったの?」

不意に携帯を置いて、云ってきたのがそれ。

「……さあ」

ああ、あの日、真人さんがどこかにかけてたのって、理央さんだったんだ。
しかもでないからって、あの後わざわざ行ったんだ。

「だいたいあんた、兄さんのなんなの?
いつもだったら自分の女が俺と付き合うようになったって云っても、
『ああそう』
だけだったのに。
しかも怒鳴り込んでくるなんて初めて。
あんなに拘る兄さん、見たことない」
< 80 / 158 >

この作品をシェア

pagetop