リミット・デイズ
すずが席に着くと、後ろの席からシャーペンでつんつんと肩をつつかれて、振り返る。
「なぁ涼花、李仁くん風邪?」
親友の森 愛弓(モリ アユミ)や。
愛弓はいつもギリギリの時間に登校するばい、さっきの騒ぎを知らんのやろう。
「ちゃう。さっき萌ちゃん達と色々あって、居づらくなったとね」
「萌ちゃん達と…?」
怪訝そうに首を傾げる愛弓に、さっきの出来事ば大まかに説明した。
すると愛弓は溜息ば吐いて、呆れた顔をした。
「そら大変やったなぁ……、李仁くんが萌ちゃんと付き合うわけなかとのに……」
ほんにそう。
すずみたいにりっちゃんとがばい仲良うなくても、りっちゃんが彼女作らへんのは誰だって分かっちょるけん。
「でも、よかね!涼花は」
「なして?」
「だって、李仁くんを誰かに奪われる心配せんでええやろ?」
────奪われる て………、
りっちゃんはすずのもんやなかとよ。