空に咲く花とキミを
あたしはバイトのかけもちに加えて、直くんにパチンコ屋さんに付き合わされていることもあり、寝不足続きで毎日がしんどかった。

付き合って3カ月も経つと、直くんの言うことは絶対であたしはそれに従うしかない、そんな関係が出来上がっていた。

閉店まで打ってボロボロに負けると、その次の日はバイトを休まされて朝から付き合わされる事もあり、時にはあたしがお金を出す事もあった。

そうまでして直くんに付き合っているというのに、疫病神だなんて言われたらあたしだってガマンの限界。

「帰れって言うなら、帰るよ」

勇気をふり絞って言うと、あたしは駐車場へ向かった。

「…」

直くんは、あたしを止めなかった。

くやしくて、悲しくて、涙が出てきた。

こんな風になるために、あたしは直くんと付き合っているんじゃない。

人間だから、落差はあって当然だ。


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