空に咲く花とキミを
直くんは、ギャンブルが好きだ。

特に、年齢さえ満たしていれば誰でも気軽に行けるパチンコ屋さんへは、常連扱いを受けていたほど通っていた。

そこに、直くんが気になっている台をあたしに打たせるために、よく同席させられた。

「華オマエいつまで打ってんだよ⁈全然出てねーじゃん。オレの金ばっか使いやがって!」

「…ごめんなさい」

謝るのは、いつもあたしの役目。

金はオレが出すから、華はオレが気になってる台を打ってくれーーーそう言われて打っているだけなのに、いつまでたっても当たりがこないと、毎回あたしは怒られるんだ。

あたしもあたしで、直くんのお金を減らしてしまっている申し訳なさから、この理不尽な怒りを鎮めるために、つい謝ってしまう。

でも、ある日のあたしは違ったーーー。


「もういい!オマエは帰れ!2度と顔見せんな、疫病神‼︎」

「……‼︎」

この日も2人して負けていて、直くんは怒りマックスであたしに当たり散らしていた。

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