空に咲く花とキミを
城間くんの周りにはいつも人がいて、人柄の良さもうかがえる。

1人で沖縄からこの町に来て、ここで働き始めてもうすぐ1年になるという城間くんは、社員の人たちからも可愛がられていた。

あたしは…最近、城間くんのことをよく考える。

もちろん城間くんのことだけじゃなくて、今の仕事で知り合って仲良くなった人たちのことも、よく考えていた。

そうすれば、みんなに会えることを楽しみに、直くんとの生活も頑張れると思ったから。



「直くん、新しい職場はどうだった?」

「あぁ、楽勝楽勝。」

帰りの送迎バスの中の直くんは上機嫌で、あたしはいくらかホッとした。

こんなに機嫌がいいのはいつ振りだろう……晩ごはんの時に直くんが飲むビールの缶を開ける音も、今日は明るく聞こえた。

あたしはテレビを見ながら、少しずつ焼酎を飲んでいた。

「…飲み足りねぇな。」

「え?」

直くんが舌打ちをしながら言った言葉に、ドキっとするあたし。

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