空に咲く花とキミを
「ま、彼氏がいても華は僕のだけどね。」

いつもの大崎さんの冗談に、また笑いが起こる。

あたしは、松井さんと新しい職場に行った直くんのことが気になっていて、なんとなく雰囲気に合わせて笑っていた。

そこで、この会話は終わると思っていたのに……。

「大崎さん、華さんはオレのっすよ(笑)?」


城間くんーーー?

「お?大介がライバルか。じゃあ華、僕か大介か選んでいいよ(笑)。」

「もぉっ、どっちも選びません!2人ともからかわないでよっ!」

あたしは恥ずかしくなって、コーヒーをぐいっと飲み干した。

飲み干して……大崎さんたちと談笑している城間くんを、チラ見した。

心配していた直くんのことが、一気に頭の片隅に追いやられる。

「…。」

城間くんはあたしより少し背が高くて、体型は細身、少年のような笑顔が、真っすぐに育ってきたのであろうことを想像させるーーーあたしの中の城間くんの印象。

< 62 / 261 >

この作品をシェア

pagetop