《完結》アーサ王子の君影草 中巻 ~幻夢の中に消えた白き花~
(…っど、どうしよう。なんだかすごくドキドキして、くるしいかも…)
落ち着きなく早まる心臓の上で拳を握る。庭園を抜けて更に奥まで突き進むと、数十種類の野菜や香草などが育てられている小さな菜園にたどり着いた。
「──スズラン様、この様に通用口から招くなど、誠に申し訳ございません。本来であれば正式に正門からお通ししてお招きするべきなのですが…」
「……いえ。お気づかいなく…!」
「本当に、スズラン様も御人が良い…。……ここは本来、直接王宮の厨房へと食材等を運び入れる事の出来る搬入口にもなっているんですよ」
コルトは困った顔で微笑んで不自然に言葉を切ると、説明をしながら菜園のすぐ横に隣接している建屋の扉に手をかけた。分厚い木製の扉を開きスズランを招き入れる。
扉の内側は広々とした厨房になっていた。酒場の厨房の何倍もある広さな上に、天井が高く、かなり風邪通しが良さそうな造りだ。見たことも無い調理器具が並び、多くの調理師達が作業している。
「わ…! すごい」
「ここで王宮全ての食事を賄います。今は今夜の晩餐会に向けて調理師達が腕を奮っているところです。あ、ちなみにユージーン殿は以前ここで働いていたのですよ?」
落ち着きなく早まる心臓の上で拳を握る。庭園を抜けて更に奥まで突き進むと、数十種類の野菜や香草などが育てられている小さな菜園にたどり着いた。
「──スズラン様、この様に通用口から招くなど、誠に申し訳ございません。本来であれば正式に正門からお通ししてお招きするべきなのですが…」
「……いえ。お気づかいなく…!」
「本当に、スズラン様も御人が良い…。……ここは本来、直接王宮の厨房へと食材等を運び入れる事の出来る搬入口にもなっているんですよ」
コルトは困った顔で微笑んで不自然に言葉を切ると、説明をしながら菜園のすぐ横に隣接している建屋の扉に手をかけた。分厚い木製の扉を開きスズランを招き入れる。
扉の内側は広々とした厨房になっていた。酒場の厨房の何倍もある広さな上に、天井が高く、かなり風邪通しが良さそうな造りだ。見たことも無い調理器具が並び、多くの調理師達が作業している。
「わ…! すごい」
「ここで王宮全ての食事を賄います。今は今夜の晩餐会に向けて調理師達が腕を奮っているところです。あ、ちなみにユージーン殿は以前ここで働いていたのですよ?」