《完結》アーサ王子の君影草 中巻 ~幻夢の中に消えた白き花~
「これは、大変失礼いたしましたっ! 私、サリベル・アダンソンと申します。この王宮の侍女長を務めております。本日はスズラン様の身の回りのお支度を任されました。どうぞ宜しくお願い申し上げます」
熟れた林檎の様な赤い髪に明るい緑の瞳は兄であるコルトと同じなのだが、先程コルトに感じたものより強い既視感。
(なんでだろう、なんだか不思議な気分…。あ、それにサリベルさんて少しソニャちゃんと雰囲気が似てるのかも…)
そのおかげか、ほんの少し緊張が解れたところではっとして慌てて名乗る。
「わっ、わたしはスズランです。よろしくお願いします…!」
「まあ〜〜! 本当に可愛らしくてお綺麗! それになんて美しい瞳なの? 御髪もとっても素敵な御色ですね」
サリベルの惜しみない賞賛の言葉に照れてしまい、僅かにはにかむも頬が紅潮する。
「あ…、ありがとうございます…」
「ふふ。そんなに緊張なさらずに、ご自宅と同じ様に寛いでくださいな」
「はい! ……あ、えっ、そんなわけには!」
うっかり元気よく返事をしてしまったが、まさか王宮に来て寛ぐなんて以ての外だ。あたふたと焦って訂正するも恥ずかしさに赤面が止まらない。
熟れた林檎の様な赤い髪に明るい緑の瞳は兄であるコルトと同じなのだが、先程コルトに感じたものより強い既視感。
(なんでだろう、なんだか不思議な気分…。あ、それにサリベルさんて少しソニャちゃんと雰囲気が似てるのかも…)
そのおかげか、ほんの少し緊張が解れたところではっとして慌てて名乗る。
「わっ、わたしはスズランです。よろしくお願いします…!」
「まあ〜〜! 本当に可愛らしくてお綺麗! それになんて美しい瞳なの? 御髪もとっても素敵な御色ですね」
サリベルの惜しみない賞賛の言葉に照れてしまい、僅かにはにかむも頬が紅潮する。
「あ…、ありがとうございます…」
「ふふ。そんなに緊張なさらずに、ご自宅と同じ様に寛いでくださいな」
「はい! ……あ、えっ、そんなわけには!」
うっかり元気よく返事をしてしまったが、まさか王宮に来て寛ぐなんて以ての外だ。あたふたと焦って訂正するも恥ずかしさに赤面が止まらない。