そのキスで、覚えさせて





ほんのりアルコールの回ったあたしは、顔を上げぼーっと彼らを見る。



あたしの前には、スーツを着た男性が二人いた。

あたしよりも少し年上で、イケメンではないが、出来る男オーラが漂っている。

なんだか誠みたいだ。

そんな二人だけど、誰なのか心当たりもない。

ぼんやりしているあたしに、



「ほら!二次会で同じ席だった……」



彼らは爽やか笑顔で告げた。






二次会……

そうだ、由紀先輩の結婚式二次会の話だ。

確かに彼らはあたしたちの前にいて……

あたしに、後輩の誠の話をしたんだ。

彼らはアルコールで気分が良かったかもしれないけど、あたしは散々だった。


< 51 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop