sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
それにしても、平均視聴率二十パーセントってすごくない? 何かのスポーツの日本代表戦とか、よっぽど流行ってるドラマとかでしか見たことない数字だよ。
じゃあ、私を知る会社の同僚にも結構見られていたりして……。そんな不安を胸に抱いた瞬間、スマホの画面が急に着信を知らせた。
「あ、円美さん……」
朝からどうしたんだろう。でもどうせ会社に連絡しなきゃいけなかったんだし、先輩からの電話はちょうどよかったかも。
「はい、藤咲です。円美さん、おはようございま――」
『千那ちゃん……朝からごめんね。私、あなたにさよならを言おうと思って』
「え? さよ……なら?」
私はスマホを少し耳から離して眉根を寄せる。
どうしちゃったんだろう円美さん。声がいつもより暗い。深刻な話なのかな……?
「どうしたんですか? まさか、仕事辞めるとか……」
『違うわ』
「でも、じゃあ“さよなら”ってどういう意味ですか?」
『……ふふふふふふふ』
私の質問に、今度は急に笑い出した円美さん。ちょっと情緒不安定で怖いんですけど……。
不気味に思いながらも話の続きを待っていると、円美さんは感情をこめて語り出す。
『今までの人生、恋愛に関してだけは負け組だった私だけどね……とうとう、大金星を上げました!』
「えっ! ということは……」
『そうなの。私、このたび、石油王子柚殿貴文さんの妻になることが決まりました』