sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
やっぱり! わ~。円美さん、本当に玉の輿になっちゃった。
幸せそうに弾んだ円美さんの声を聴いて、こちらまでテンションが上がる。
「おめでとうございます! 前に話を聞いた時は悩んでたみたいでしたけど、とうとう柚殿さんを本気にさせることができたんですね!」
「ありがとう。まだ本気にさせることができたわけじゃないんだけどね」
え……それって、どういう意味だろう。
ため息交じりに意味深発言をした円美さんに、私は聞き返す。
「でも、妻になるってことは……」
「それもね、私から逆プロポーズをして、それをまた面白がった貴文さんがオッケーしてくれただけなのよ。“ここまでがっついてくる女性は初めてだ”とかなんとか言って」
「そ、それで結婚を承諾してもらえたんですか……?」
「そうなの、変な人よね。でも、理由はどうあれ嬉しいし、彼の心をつかむためには長い時間が必要みたいだから、夫婦になるのがちょうどいいかなって」
完全なるハッピーエンドというわけではないみたいだけれど、円美さんの口調が穏やかでホッとする。
珍しい結婚の形もあるものだけれど、円美さんが幸せそうならそれでいいのかな。
柚殿さんだって、円美さんのことなんとも思っていなかったら、さすがに結婚までは踏み切らないだろうし。
「だからね千那ちゃん、悪いけど私たちの“恋愛できない同盟”は解散」
突然話題が変わり、私はぽかんと口を開ける。