sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


最上階を目指すエレベーターの中では手をつないでいただけだったけれど、密室空間にふたりきりという状態に何度呼吸が止まりそうになったかわからない。

それでも目的の階につくまでなんとか生きていた私は、彼に手を引かれてスイートルームに足を踏み入れる。

前回よりさらに高級な部屋であるわけだけど、どこがどう違うか観察する余裕もないほど私は緊張していて、詠吾さんの後についていくだけ。

そして大きなソファのあるリビングルームを通り抜けてベッドルームにたどり着くと、彼は私の手を離してベッドに腰掛けた。

私は自分から隣に座ったりベッドに寝ころんだりできなくて、彼と向かい合った状態で棒のように立ち尽くしていたけれど……。


「千那。そこで待っていたって俺からは何もしないよ?」

「え……?」

「さっき話しただろ? 千那が俺を罠に掛けるんだから、俺の理性が崩壊するくらいに、色気全開で誘惑してよ」


な……っ。なんて高度な要求を!

ただでさえ緊張して自然に振る舞えないのに、その状態で詠吾さんを誘惑するだなんてできっこない!


「無理です……っ」

「無理なもんか。いっとくけど、千那がそうして顔真っ赤にしてるだけで、俺の理性ぐらっぐらだから」

「そ、そう言われても……」


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