sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
「ごめんなさい……覚えてないみたい、です」
正直に謝ってから、上目遣いに彼の表情を窺うと、なぜか不敵な微笑みがあって、心臓がどっくんとジャンプした。
な、なんか嫌な予感がする……。
「いつか、ちゃんと俺を愛したら、もう一度俺を罠に掛けて――。俺はそう言ったんだ。……千那は、何度も頷いてたよ」
もう一度、罠に――。その台詞に、はっとする。
「そ、そういえばそんなこと言われた気も……」
「よし。じゃあ移動しよう。ケチな瀬川と違って、一番いいスイート取ってあるから」
そう言うなり、スッと席から立ち上がり会計を済ませようとする詠吾さん。
「え? え? 今日、ここ泊まるんですか?」
私は急展開についていけず、詠吾さんの服の袖をつかんで動揺する。
「すみれさんも言ってたろ? 俺、この一週間拷問だったんだ。……千那に触れられなかったから」
最後の言葉だけ本気で切なそうに言われ、胸が破裂しそうになる。
み、みーちゃん……とうとう私たち、Cに踏み込むときがやってきたみたいです。
照れ隠しにそんなことを思ってみるけれど、胸の高鳴りは大きくなるばかりだった。